キャリアコンサルタントを目指している方へようこそ!

このWebは私がキャリアコンサルタントの勉強をはじめ試験に合格する前と合格した後で思ったこと、そして今歩いている道を仲間と共有し理解を深め合うことを目的としています。
私はこの春に1級キャリアコンサルティング技能士になることができました。長い間、皆様と関わることができたお陰だと感謝を申し上げます。引き続き宜しくお願い致します。塾長 木原厚二 R5.4.1

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フォーカシングについて

2024年04月11日 14:26

キャリアカウンセリングの勉強を始めた頃に初めて手にした本「はじめてカウンセリング入門(下)ーほんものの傾聴を学ぶ」諸富祥彦著を久しぶりに読んで「フォーカシング」の説明が、私のブログ「ノウハウ集Q4-9:キャリアカウンセリングの傾聴力にプラス想像力・イメージ力をつけるとは?」に似ていると感じ、改めてフォーカシングについて紹介したいと思います。

フォーカシングとのつながりで言えば、「カウンセラー自身が自らフォーカシングしながら、クライアントを傾聴していく姿勢」

フォーカシングとは、一言で言えば、自分自身の内側に深くていねいにふれていく姿勢のこと

うまくいくカウンセリングと失敗するカウンセリングとでは、その最初の数回のうちにははっきりとした違いが出てきます。

その違いとは、カウンセラーの技術のレベルでも、クライアントの自己理解の程度でもありません。

実は、重要なのはクライアントの「話の内容」ではなく、「話し方」、すなわち、クライアントが「自分の内側にていねいにふれながら話すような話し方をしているかどうか」であること、

この結果をもとに、ジェンドリンらは、・・ (略)・・すなわち「内面的な自己探索をともなう語り」こそ、カウンセリングの核心があると考えて、そこに焦点を当て始めたのです。


5つのスキル(byアンワイザー・コーネル)

①「認める」何が出てきても、認める。ただそのまま、認める。(もっとも重要な姿勢)

②「間を取る」何が出てきても、ただそのまま認める、ながめる姿勢を保持していくと、おのずと、自分とそれらの「感じ」とのあいだに「距離」「間」がとれてきます。

③「思いやりを持って、問いかける。そして何かが出てくるのを待つ

④「受け取る」自分の内側にある感じ(フェルトセンス:なぜか気になる感じ、漠然とした違和感)が何かを語り始めたら、それがどんなものであれ、やさしくていねいに受け止める。

⑤「内側に響かせる」自分が内側から出てきた言葉や、イメージ、動作などを、まずそのまま受け取ったら、次にそれがほんとうに自分にしっくりくるかどうか、確かめるようにして内側に響かせる。

こうして、①から⑤を順不同で繰り返しながら、内的な自己探索をおこなっていくのが、フォーカシングなのです。

以上です。

私のブログのノウハウ集Q4-9「CCの心を空にしてCLの言葉を聴きイメージする。イメージできないからそのことを聴き、CLから返った言葉からまたイメージを広げながら進めることでCL自身になれた時、CLをより深く理解できる」ことと繋がり、そのイメージを投げかけることでクライアントが自己探索が始まり、気づきが生まれていたのかも知れませんね。

10年以上経ち改めてフォーカシングを読んで、多少フォーカシングのような関わり方ができていたのかも知れません。

いかがでしょうか?

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(9)

2024年03月30日 14:35

今回の論述試験対策は「解き方の指標」として一旦終わりますが、思い出したらこのWebにアップしたいと思います。

9.1級キャリアコンサルティング技能士論述試験対策

(3)第13回論述問題の解き方の指標


問1は2級の論述問題と同じですね。
指標1:相談者Aが訴えた「問題」つまり主訴を3行のスペースにまとめて書きます。
(1)相談者Aの状況、感情、選択肢を元にコンパクトにまとめる。
(2)「相談者は・・・・・・以上のことから・・・・・の事が問題である。」

問2も2級の論述問題の問2、問3と同じですね。
指標2:相談者Aが言ったことから根拠を拾い、大きな問題から捉えます。
(1)スペースが5行しかありませんので相当コンパクトにまとめて書きます。
(2)キーワードを選択し肉付けする。①自己理解不足②仕事理解不足③コミュニケーション不足④中長期視点のキャリアプラン不足
指標2-1:相談者Aの見立てた問題から相談者の<目標>と<方策>を記述します。

問3からは1級ならではの問いですね。
指標3:相談者Aを支援するために必要なネットワークとは
例①キャリア関連専門機関が開催するセミナーや研修会への参加。例②キャリアコンサルタント仲間との事例検討会やスーパービジョンへの参加。etc

指標3-1:相談者Aの置かれた環境への働きかけとは
例①会社の上司や社内外のロールモデルへのヒアリング。例②夫・両親とのコミュニケーション。etc

問4は事例相談者Bの相談者Aへの対応ついての「問題」も1級ならではの問いですね。
指標4:常に事例指導者(SV)の視点で事例相談者B(CC)の問題を一般化・概念化して書く。
(1)CCが認識している問題を捉える。
(2)CCが認識していない問題を大きな問題から捉える。

問5は「問題4で挙げた事例相談者Bの問題だと思うことの中から優先するものを取り上げ、具体的な指導方法」も1級ならではの問いですね。
指標5:常に事例指導者(SV)の視点で事例相談者B(CC)の問題を一般化・概念化して述べる。
(1)論述試験問題を読んだ直後のロールプレイを意識し、目の前の事例相談者Bの目標と方策を具体的に書く。
(2)問4に即した問5として一貫性を持つ<目標>と<方策>を書く。

以上ですが、特に問4と問5の考え方は面接試験に共有出来ますので、論述問題を解きながら活かして下さい。

マーク・L・サビカスは「自己は外側から内に向かって作られ、内側から外に向かって作られるものではない。」と言っています。 
ここから先は、個別指導のスカイプ塾(Skype)、勉強会形式の広島白島塾(Teams)でスキルと指導力を切磋琢磨しながら身につけて頂きたいと思っています。
お待ちしています。

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(8)

2024年03月24日 10:01

1級の合否結果が発表されましたね。
今回は論述試験対策ですが、第13回でどう変わったか分析から入ってみます。

8.1級キャリアコンサルティング技能士論述試験対策

(1)第12回論述問題と第13回論述問題の比較

解答制限時間:第12回までは100分でしたが、第13回から80分に短くなりました。
問題数:第12回が必須問題3問、選択問題3問で計6問でしたが、第13回から5問に減りました。
問題を読む量:第12回が必須問題、選択問題で計4ページでしたが、第13回から2ページに半減しました。
解答欄の行数:第12回が必須問題22行、選択問題17行計39行でしたが、第13回から26行に減りました。 
問題の説明内容:第12回に比べ第13回から【相談者A】に加え、【事例相談者B】、【事例相談者Bが事例指導者に相談したいこと】【事例】、【事例相談者Bの所感】となり、文章全体がA、Bに分けて書かれ少しスッキリしています。

以上、時間的なプレッシャー(2問100分が1問80分)が少し緩和したのではないかと思います。 

(2)論述問題(問い)中身の比較

第12回左図から第13回右図に以下のように変わりました。

 

第13回は第12回の必須問題と選択問題を合わせたような【問い】に変わっています。
問1は第12回の必須問題の問1の一部です。
問2は第12回の必須問題の問1の一部+必須問題の問3です。
ここまでは2級問題と同じですが、ここからが2級にはない問いです。
問3は第12回の選択問題の問3ほぼ同じです。
問4は第12回の必須問題の問2または選択問題の問1と同じです。
問5は第12回の選択問題の問2と同じです。

以上、1級と2級の違いは、1級は事例相談者Bが相談者Aにどのようなカウンセリングを行ったか事例相談者Bの問題が問われています。
同時に相談者Aの問題もあなただったらどうするかを問われています。
論述試験問題はこの考え方が面接試験(ロールプレイと口頭試問)に繋がっていることが分かると思います。

次回はどう問題を解けば良いのか考えてみます。

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(7)

2024年03月17日 15:25

前回で面接試験はラストと言いましたが、今回はロールプレイをケースから考えてみます。

7.1級キャリアコンサルティング技能士面接試験対策

(6)ロールプレイケース内容から考える実際の面接試験

第11回面接試験ロールプレイケース内容

ケース2

事例相談者:キャリアコンサルタント(相談歴2年)

相談者:Bさん、男性(59歳)

相談者が相談したこと:会社から定年後の再雇用の話があったが、受ける気はない。

かといって仮に転職しても自分に合う仕事が見つかるかどうかはわからないと思い悩んでいたところ、大学の友人が社会保険労務士として起業したとの話を聞き、自分もその道で独立できれば、とも考えるようになった。今後どのように進めていけばよいのかわからず、また気持ちの整理もしたいため、相談に来た。


キャリアコンサルタントが相談したいこと(事例相談者のことです):独立に向けての資格取得については、社会保険労務士にこだわらずに視野を広げた方がよいと考えたため、他の資格についても検討することを勧め、情報提供を行ったところ喜んでくれた様子だった。

次回は、今後のことについて具体的に検討しようと話して面談を終了したが、その後来談はない。どのような対応をすべきだったのか、指導を受けたい。

上記が受験者に事前に送られるケースの1つ「ケース2」が私に当たりました。

前回のブログのステップ①で書いたように実際の面接試験では「自己紹介」から振り返ってみます。

事例相談者は50代位の女性方でしたが、 名札が裏返しになっており、自己紹介の時に初めて名札を表にされ「松本です。」と言われました。
気が付いたら中盤くらいで名札が裏返しになっており、事前に用意された白紙のメモ用紙に名前を書いておいて良かったと思いました。

もうひとつ忘れないで欲しいのは事例相談者に「これまで何を大切にされて来ましたか?」の質問に答えて頂きこれもメモしました。

そして、事例相談者から頂いたケース記録はA4用紙にビッシリ詳しく書かれているものを頂き、そのケース記録を事例相談者に「読んで頂けますか?」とお願いしたところ、快く一字一句を時間(5分位?)を掛けて丁寧に読んで頂きました。

ケース記録には1級論述問題のように事例相談者がどう関わったか丁寧に書いてあり逐語録を添削してきた経験が役にたちました。
この経験を生かし、違和感のあるところにチェックマークを入れながら、しっかり頭にイメージできる機会を頂けたと思っています。

実際のケース記録は「ケース2」を元に作成されたものでしたが、我々がロールプレイ練習で想定したケース内容とは相当違っていました。
それが幸いして、事例相談者に真白い状態でカウンセリングをすることができました。

今思えばケース内容からの練習で30分間のロールプレイに慣れ、10分の口頭試問の答え方に慣れ、何回か振り返る経験を積みました。
また、1級論述試験の対策とその内容を元にロールプレイを重ねた経験も活かせたと思っています。

改めて「ケース2」のアンダーライン部分からは
・相談者に深めるカウンセリングができたか?
事例相談者がなぜそのようにしたのか?
そして、
事例相談者の問題の本質に関わるカウンセリングが求められている事は間違いありません。

☞追記:面接試験のケース内容は本番では相当違っていましたので、早い時期から1級論述過去問題を解くことと、これをベースにしたロールプレイ練習は一石二鳥だったのでお勧めします。

以上です。
次回はそろそろ論述試験対策に入りたいと思っています。お楽しみに(^^♪

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(6)

2024年03月13日 21:33

面接試験についてはひとまずラストになると思います。

6.1級キャリアコンサルティング技能士面接試験対策

今日は事例指導者の役割を理解し、面接試験官から観た受験者の傾向から吟味したいと思います。

(4)事例指導者の役割

事例指導とは、相談者へのよりよい支援と、事例相談者のキャリアコンサルタントとしての成長を目的に、事例相談者の担当する事例を通して指導を行うものです。具体的には、相談者に対する面談過程、事例の見立てや対応の方針、組織への働きかけ、リファーやコンサルテーション、事例相談者に不足する態度、役割意識、知識やスキル等について、気づきを促し情報提供や助言を行うこと。

と1級面接試験の概要に謳っています。

「相談者へのより良い支援」で「アレ!」って思われるかも知れませんが事例相談者(CC)を通した支援になるので相談者のことも理解します。

例えば、2級で面接試験が合格できなかった方に相談に乗る時、どのようなカウンセリングだったのだろうと同時にどのようなクライアントだったか聞くシーンがありますね。そのことを言っていると思います。
なぜ合格できなかったか関係構築しながら、関わりを通して共に成長して行く温かい関わりでカウンセリングしたり、時には役割交代しながら深め、気づいてもらう関わりです。
また、逐語録に整理してもらっていると、ご自分で気づきがあったり、私の添削から気づきが生まれることも多いです。

私は塾生に関わる時のカウンセリングはいつも合格してさらに活躍してもらいたい(成長を願う)気持ちが本番で活かせたからだと思っています。
その関わる中で、自分も成長させて頂いている「共に成長」の意味だと思います。

(5)第11回1級実技(面接)試験面接試験官から観た受検者の傾向

<面接試験全体(ロールプレイと口頭試問)について(総評)>

受検者自身が何をしたらいいのかに一所懸命で、「相談者へのより良い支援と、事例相談者のキャリアコンサルタントとしての成長」という事例指導の目的を理解していないと感じるロールプレイが散見されたこと、また傾向として、カウンセリングの知識・スキルについての理解不足、力不足が気になりました。自己紹介や場面構成に必要以上の時間をかけているケースも見受けられました。事例指導においては、事例相談者をよく知り、共に成長していくプロセスが大切です。事例相談者が事例を通して自身の課題に気づけるような関わり方が求められます。

以下はそれぞれの評価ですが、大事になところは総評に語られています。

■ 基本的態度について事例相談者の成長に関心をもって臨む受検者も多い一方で、検者自身をよく見せるための表面的な指導に受け取られるようなケースもあった。多くの受検者は「基本的態度」について、ロールプレイで実施されたことと、口頭試問での振り返りに乖離がある(受検者自身の「自己一致」が十分ではない)ケースが散見された。

■ 関係構築について:事例相談者から提示された事例について理解を深めるために積極的に関わろうと努めた受検者もいた一方で、予め示された概要に基づいて課題の予想や解決等の対策を講じることで、練習してきた成果を発表する場になってしまったケースも散見された。目の前にいる事例相談者を蔑ろにしてしまい、準備してきた解釈、解決策の提示によって本質的な課題の理解や事例相談者自身の「気づき」に繋がりにくいと感じられる場面が多かった。
■ 問題把握について
:事例相談者が自身の課題について把握していない(共有できていない)状態で、受検者が得意な分野(理論等)で進めようとする様子が散見された。キャリアコンサルティングプロセスをきちんと理解していないまた質問力が弱いため、問題の本質に迫り切れない受検者が見受けられた。事例相談者の課題に対し、育成的な関わりを意識している受検者は少ない印象だった。受検者の見立てについて、事例相談者の合意無しに指導を進めてしまう、また事例相談者との協同作業の中で明確化することができていない受検者も少なくなかった。
■ 具体的展開について事例相談者とのやりとりから課題を抽出し、目標設定するプロセスについての力不足を感じた。指導で用いた理論や技法が、事例から離れてしまっているケースが多く見受けられた。システムアプローチ、来談者中心療法、コーヒーカップ・モデル等の用語が散見されたが、これらの説明に終始し、また自分の準拠枠、或いは事前に準備してきたシナリオに当てはめ、強制的、 一方的な進行になってしまうケースも少なくなかった。

何が言いたいのか、私の経験から解説したいと思います。

ステップ①:CCがCLにどう関わったのかをSVが傾聴を重ね理解を深めます。

まず、事例指導者(SV)から自己紹介をします。
「初めまして、本日事例指導を担当させて頂きます木原と申します。(松本です)松本さんですね。今日はよろしくお願いします。
松本さんとは初対面ですので簡単に自己紹介をさせて頂いてよろしいでしょうか?」(1分で答えます。)

総評(下から2行目)で「自己紹介が長い」といっているのはこのことです。
以前は守秘義務のことなど言って長くなっていたと思います。
(2級は当初は自己紹介がありましたが、今は無くなりましたね。)
ですから今は自己紹介を簡潔に言わなければいけません。
名前、職業、キャリア、『カウンセリングで大事にしている事』等。
事例相談者にも『何を大事にしているか』自己紹介を求めながら聴いてください。

さて、次に事例相談者(CC)は2年のキャリしかありませんので、ご自分の経験と重ねCCからケース記録を読んで頂く。
そして、CCからどんな面談をしたかカウンセリングを行う。
「今ここ」のリアル感をもって、自己一致の姿勢で関係構築を深め、来談目的のCCのうまく行かなかった問題を共有します。

ステップ②:CCの問題点がどこにあるのかSVが本質的問題を理解し、SVの関わりによってCCが問題に気付く。

このステップが1番の肝だとおもいます。

事例指導者(SV)は事例相談者(CC)が相談者(CL)に対し、どこをどうすれば良かったか順を追って話して頂きます。

狙いはSVからみたCCの問題は何なのか理解するところです。
CCはCLに対するカウンセリングの何が不足していたのか、一緒に考えます。

面接試験の概要「相談者に対する面談過程、事例の見立てや対応の方針、組織への働きかけ、リファーやコ ンサルテーション、事例相談者に不足する態度、役割意識、知識やスキル等について、気づきを促し情報提供や助言を行うこと。」のところですね。

ケース記録を再度見直したり、その場面でどうすれば良かった深めます。
ヒアリングを重ねCLとの関係構築はどうだったのか、目標はどうだったのか、気づきを促すかカウンセリングはできたのか、行動変容の段階まで行ったのか、目標の合意は取れたのか、CLの主訴、CLの見立ては相応しいのかを聴きながら、最終的にはCCの本質的な問題は何かを理解する。

山場はSVが上記の関わりでCCが自分の問題に気づき、行動変容があり、どうしたいか一緒に考え方向性が出せることです。
・SVとCCの間で関係構築が十分深まっており、主訴が共有できていること。
・SVはキャリア理論とカウンセリング理論を活用してCCが理解できるように説明し、行動変容があるかどうかカウンセリング能力が試されます。
・また、指導者として共に成長して行く温かい人間性が試されます。

ステップ③:SVの目標設定にCCとの合意が得られ、方策を一緒に考えクロージングに至る。

ここは、ステップ②があって初めて、SVはCCと今後どのような支援をしていきたいか目標にし、合意を得ることができると思います。
残りは方策を立て、クロージングをします。

ただし、私の経験では方向性の合意から目標設定はできました。
ステップ③では再度目標設定し、ロールプレイで時間が来てしまったら残りの方策は口頭試問で答えましょう。
また、口頭試問はロールプレイでできなかったことも乖離がないよう正直に答えてください。

ざっと面接試験について、進め方のステップから考えてみました。いかがだったでしょうか?

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(5)

2024年03月10日 20:51

今日も面接試験についてお話します。

5.1級キャリアコンサルティング技能士面接試験対策

今日は2級と1級の評価区分の比較から考えてみましょう。

3)【2 級実技(面接)試験の評価区分とその内容】

基本的態度:キャリアコンサルタントとして自分をありのままに受容し、言語・非言語で表現し、多くの場合、一致していること。また、必要に応じて相談者の個別問題に応じた支援(助言・情報提供等)を適切に行うことができること。

関係構築力:キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて、相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するような相談を安定的に進めることができること。 

問題把握力:相談者が表現した内容から、相談者が相談したいことを把握し理解するとともに、相談者が訴えている以外の相談者の問題を把握しており、推論の根拠も説明できること。 

具体的展開力:相談者との関係性を意識しながら面談を進め、相談者の訴えを理解した上で適切な目標を設定し、キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、対応できることで、相談者に気づき、変化(問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など)が起こること。

となっています。では1級では何が違うか私の経験を踏まえ考えてみます。

(4)【1 級実技(面接)試験の評価区分とその内容】から2級との違いと1級の視点

基本的態度:自分の強みや弱み、自分の感情と相手の自分への感情を受容し、指導中の自分の行動の適切性を評価できること。キャリアコンサルタントとしてのあるべき姿を理解し、それに近づく努力を実践するとともに、周囲への啓発を行っていること。自分の改善点に気づき、向上のために自らのゴールを定め、学ぶとともに実行していること。

ここは2級と相当違うと感じられると思いますが、私は2級と同様来談者中心療法の自己一致の姿勢でロールプレイを通し、事例相談者への関わりをキャリアコンサルタントとして実践し、口頭試問でそれを上記の考えに基づき面接官に答えられたかによると思います。私の事例相談者に対する関わり方は指導者だからと言って「上から目線の指導ではなく、温かい人間性を持って共に成長していく態度」で関わっていただきたいと思います。

関係構築力:相談者との人間関係(職業専門家に向けた育成効果の高い関係)を構築し、事例相談者に気づきや成長を促す関係を作ることができること。キャリアコンサルティングの進め方を体系的に理解したうえで、キャリアコンサルタントとして、事例相談者に対する受容的・共感的な態度や誠実な態度を維持しつつ、事例相談者が面接の課題に気づき成長できるよう、様々な理論とスキルを用いることができること。

ここは基本的には2級と同様にロールプレイを通し、キャリアコンサルタントとして、事例相談者に対する受容的・共感的な態度や誠実な態度を維持しつつ、事例相談者が相談者への面接の課題に気づき成長できるよう、様々な理論とスキルを用いることができることです。そのためには自分のカウンセリングの強みを最低1つはマスターしてください。面接官を前にそれを実践し、口頭試問でも答えられれば良いと思います。私は事例相談者に気づきを促すためには、情報提供や自己開示などの軽めの積極技法を使います。本質的な問題に入り関係構築ができていれば「そうなんですよね」と言って頂けることが多いです。間違ってもこの段階で『提案』はしません。

問題把握力:事例相談者が担当している相談者や事例相談者の状況を客観的に把握し、事例の本質を掴むことができること。事例相談者の能力やスキルを客観的に把握し、育成的な視点で事例相談者が取り組むべき問題を特定することができること。事例相談者の問題を明確化し、状況や環境に適した問題を共有化することができること。

2級と同様ですが違いは、事例指導者が事例相談者の行ったカウンセリングの本質的な問題を掴み、事例相談者が取り組むべき問題を特定し明確化すること。それを般化し共有できること。私は事例相談者の「一致の姿勢」ができていないことを説明し、ケース記録から具体的にはどこかを一つひとつ説明し、事例相談者自身がそれに気づかれ、「わかりました」「どうすればよいか」の言われたので理論的な考え方と実際のスキルを身振り手振りで真剣に説明し、行動変容(気持ちが前向きに変わる)の手応えを感じました。目標設定後、般化の途中で終わりましたので残りを口頭試問で答えました。

具体的展開力:事例相談者の問題を解決するために、適切な目標を設定し、効果的な指導を企画することができること。事例相談者に対して、適切でわかりやすく、理論的・具体的な説明を行うことができること。指導プロセスにおける個々のセッションの中で、事例指導者が企画した指導方法を効果的に遂行するために、専門的な介入を行うことができること

事例相談者に対し、問題を解決するために適切な目標を設定し、効果的な指導を企画することができること。となっていますが、私はロールプレイ上でできなくても、目標設定(最低限の方向性)に事例相談者の合意が得られれば般化の途中でも、残りは口頭試問で答え、事例指導者に適した指導方法ができれば、基本的態度、関係構築力、問題把握力を含め総合的に判断され、合格点は頂ける可能性があると思っています。

いかがでしょうか?

ここに書かれている【評価区分とその内容】は2級とは相当違い厳しいと思われるかもしれませんが、各評価の合格点は60点以上です。
2級と同様必須と思われることは外さず、残りは口頭試問で答えられるように、自己研鑽を重ねて頂きたいと思います。
必須とは最低限の基本的態度、関係構築、問題把握は外さないようにしていただきたいと思います。

次回も引き続き対応したいと思います。

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(4)

2024年03月07日 18:54

。今日は面接試験についてお話します。

4.1級キャリアコンサルティング技能士面接試験対策

(1)国キャリや2級との違い

国キャリや2級はCC(あなた)がCL(相談者)にどう関わりロールプレイを行うか。
そして面接官の口頭試問を受け、面接官の評価を受けるのが面接試験ですね。

ところが、違いは以下のイメージです。

事例相談者(CC)が相談者(CL)にどう関わり、どのようなカウンセリングをしたか。

その結果がうまくいかなかった(次の約束の面談に来なかったetc)のではないかと悩む事例相談者(CC)が事例指導者のあなた(SV)を尋ねてくるという設定でロールプレイが始まります。

実際には自己紹介後、事例相談者(CC)からA41枚にびっしり書かれたケース記録を受け取り、事例相談者からその説明を受けました。

簡単に言えば、CCがCLに関わったか結果、何かしっくりこないので、あなた(SV)にカウンセリングをお願いに来て、SVは相談にのり、CCとの関係構築を維持しながら、CLにどう関わったか丁寧に聴き、CCの問題を深め、気づきを促し、CCの行動変容を図り、目標設定の合意を得て、これからの方策を一緒に考え、クロージングする。

これって、国キャリアや2級の面接試験とかなり似ていますね。
違いは、CCがCLに関わり、CCのカウンセリングに問題がある点です。

また、対象の事例相談者(CC)は相談歴2年のキャリアしかない相手に相談に乗ります。
つまり、事例相談者(CC)が事例指導者(あなたSV)にスーパーバイジング(指導)を受けに来ると言った方がわかり易いかもしれませんね。

(2)ロールプレイの進め方

SVがCCを対象に関わりますが、以下のような3段階のステップを踏みます。

①CCがCLにどう関わったのかをSVが傾聴を重ね理解を深めます。
              ⇩
②CCの問題点がどこにあるのかSVが本質的問題を理解し、SVの関わりによってCCが問題に気付く。
              ⇩
③SVの目標設定にCCとの合意が得られ、方策を一緒に考えクロージングに至る。

30分のロールプレイ(練習)を実際にやってみると、①の中でグルグルと回り抜け出せなかったり、②へ進んだが途中で①に戻ったり、③最悪はSVが指示的に強引に進めてしまって関係構築に至っていなかったなど、簡単ではありません。

本番ではその後、お二人の面接官から持ち分10分以内の口頭試問に答えます。口頭試問も2級と同様、評価(採点)のウェートを締めていると思いました。

以上が1級の面接試験のロールプレイについてお話ししましたが、次回も面接試験について考えたいと思います。

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(3)

2024年03月01日 21:14

今日は学科試験についてお話しします。

3.1級キャリアコンサルティング技能士学科試験対策

筆記試験の中身は50問を100分でマークシートに記入、70点以上で合格します。
2級と同じですね。

例によって、「最も適している/最も適していないもの」、プラス「組み合わせ」を1つ選択します。
違いは出題範囲の広さと中身の濃さです。
2級は、1問あたり4つから1つを選択しますが、1級は1問あたり5つから1つを選択します。
しかも、文章が少し長く、よく読まないと落とし穴のように間違い箇所が(隠されているように)あります。
最初は過去問題を解いているうちに「1級学科試験は落とすための試験か!」と思いました。

学科試験は『覚える』だけでなく『体系的に理解する』。そして『教えられること(指導者)』の意図を感じます。

一番参考にした書籍は『1級キャリアコンサルティング技能士検定解説集』(キャリアカウンセリング協議会編)でした。
問題解答の【解説】を読むと、以下のことが分かってきました。
・何を身につけなければならないか?
・そのためには何を読み学ばなければならないか?
・指導者として何が求められているか?

私の中では今もバイブルです。

◆参考にした書籍は以下の通りです。
◎「1級キャリアカウンセリング技能士検定解説集(第1~第8回) キャリアカウンセリング協議会編¥3520
◎「新版キャリアの心理学」 渡辺三枝子編著 ナカニシヤ出版 ¥2200
◎「キャリアコンサルティング理論と実践」木村周/下村英雄著 ¥3520
◎「キャリアカウンセリング入門 人と仕事の橋渡し」渡辺三枝子・エドウィン L ナカニシヤ出版 ¥2420
◎「カール・ロジャーズ カウンセリングの原点」諸富祥彦著角川選書¥2530
◎「人生にいかすカウンセリング」諸富祥彦編 ¥2090
〇「マイクロカウンセリング技法」渡辺眞知子監修 風間書房 ¥3850
〇「キャリア・ダイナミクス:キャリアとは生涯を通しての人間の生き方表現である」シャイン白桃書房¥4180
〇「サビカス キャリア・カウンセリング理論」マーク・L・サビカス著 福村出版¥3080
〇「キャリア・アンカー」¥1760/「キャリア・サバイバル」¥1650 シャイン白桃書房
・「カウンセリングの原理」國分康孝著誠信書房 ¥2200 
・「構成的グループエンカウンターの理論と方法」國分康孝 ¥1980
・「人事管理入門」<第 2 版>今野浩一郎 日経文庫¥913

◆図書館に置いてある以下の事典も活用しました 。
・カウンセリング大事典
・認知行動療法事典
・構成的グループエンカウンター事典
・ロジャーズ辞典

これからも指導者として必要な内容を以下の「1級キャリアコンサルティング技能士学科試験対策ノート」
にまとめ今も活用しています。

以上ですが、読む速さ、物覚え、理解力、記憶の定着等は個人差がありますので一概には言えませんね。
そこで、 
1.キャリア理論、カウンセリング理論は体系的に覚える
2.過去問題から間違いやすい箇所はその都度ノートにまとめる。(その結果、対策ノートになりました)
3.試験までに90点以上を目標に、過去問題を一定期間空けて繰り返し行い記憶の定着を計る。
 例えば、週一回第12回→第11回→第10回→第9回→第8回→第7回→第6回を繰り返す。
4.出題が広範囲で詳細な分、内容の変化の少ない以下は得意分野として押さえて置く。
キャリア 理論/カウンセリング理論/キャリアコンサルティングの社会的意義/キャリアコンサルタントの倫理と行動他

次回もよろしくお願いします。

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士になれた?(2)

2024年02月29日 07:56

今日は合格率から1級試験を考えてみます。

2.合格率から1級キャリアコンサルティング技能士試験を考える。

ここで、以下の合格率を見て学科はともかく実技は「無理!無理!」と思われるかも知れませんね。

  

 (※1回から4回までは申込者が少なく省きます。)

このグラフを見ると学科試験の合格率の傾向は第5回48.13%,第6回53.41%,第8回61.67%,第11回62.56%と高い時期と、次の第7回29%、第10回14.57%と低くなる傾向がありますが、何とかなりそうですね。
一方、実技試験の合格率の傾向は第6回が8%、第10回が7.25%、第11回が9.62%、第13回が8.97%と少し高い回もありますね。
実技試験の合格率が低いことに変わりありませんが、過度に恐れる必要もありません。

これまで1級キャリアコンサルティング技能士になられた方は以下の通りです。

Aさん
1回目 学科:合格  論述:合格   面接:不合格
2回目       論述:不合格 面接:不合格
3回目       論述:不合格 面接:合格
4回目 学科:合格    論述:不合格 面接:合格
5回目       論述:合格  面接:不合格
6回目       論述:合格  面接:合格 →1級キャリアコンサルティング技能士合格 

Bさん
1回目 学科:不合格 論述:合格   面接:不合格
2回目 学科:合格    論述:合格   面接:不合格
3回目       論述:合格    面接:合格 →1級キャリアコンサルティング技能士合格 

Cさん
1回目       論述:合格  面接:合格
2回目 学科:合格             →1級キャリアコンサルティング技能士合格

Aさんのように早い時期から受験され、 苦労された方を他にも何人か知っています。
2級もそうでしたが、どうすれば合格するのか落ち着かない時期だったのかも知れません。

Cは私ですが、1級実技試験を初チャレンジで合格し、次の受験で1級学科を初チャレンジで合格し、1級キャリアコンサルティング技能士になりました。

なぜそうしたかというと、受験にあたり無料のオンライン講座で1級に合格された人の中に、まず1級実技試験に合格後、1級学科試験を2回受け3回目で合格された方が印象に残りました。
今思うとその方は1級学科試験を2回受けたということはラストチャンスだったことがわかります。
これに合格しないと全てがチャラになり、再度、一から受験しなければなりませんね。
私はそのことを考えず、実技試験に専念し合格後、残り1年を掛けて学科試験に専念すれば良いと軽く考えていました。
が、問い合わせて初めてそれを知り、学科合格率が高い回の次の年は低くなっており焦りました。

Bさんのように学科試験、論述試験に合格点を出し、徐々に力を付け面接試験に合格する方が理想的な気がします。

実は私は実技試験の合格率が一番高い時期に当たっており、運もありますので挑戦して頂きたいと思っています。

いかがでしょうか?次回はそろそろ中身に入りたいと思っています。

どうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか?(1)

2024年02月28日 12:32

これから何回になるかわかりませんが、私がどうやって1級キャリアコンサルティング技能士試験に合格したか振り返ってみます。

1.1級キャリアコンサルティング技能士試験の中身

ご存じのようにキャリアコンサルタント国家試験と2級キャリアコンサルティング技能士試験と同様に1級キャリアコンサルティング技能士試験も①学科試験、②論述試験、③面接試験にわかれ、②と③を実技試験(④)と呼びます。

また、学科試験は70点以上(共通)、実技試験は国キャリが合計点90点以上、2級、1級は論述試験が60点以上でしかも、面接試験は各評価(基本的態度、関係構築力、問題把握力、具体的展開力)が60点以上ないと合格になりません。

そして、学科試験、実技試験のどちらかに合格すると「一部合格者」として、次の受験機会に残りを受験し、合格すれば技能士合格者となります。

ただし、国キャリは免除期間の制限はありませんが、技能士は合格した試験実施日の翌々年度末までとなっており、2級は試験が年2回なので残されたチャンスは4回です。1級は試験が年1回なのでチャンスは2回しか残されていません

試験内容以外に合格のチャンスが制限されています。

チャンスといえば学科・論述試験は主要都市(札幌、仙台、東京*、名古屋、大阪、広島、福岡、沖縄)で開催されていますが、1級の面接試験は東京と大阪に限られており、開催場所が制限されています。

さて、キャリアコンサルタント国家資格者がいきなり1級キャリアコンサルティング技能士試験を受けるのは可能だと思いますか?

受験資格が「10年以上の実務経験を有する者」「8年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験に合格したもの、又はキャリアコンサルタントであるもの」「2級の技能検定に合格した者で、その後、3年以上の実務経験を有するもの」などとなっていますので、該当すれば可能です。

その上で考えると①学科試験は時間を掛ければ合格は可能だと思いますし、②論述試験は時間を掛けてコツさえ掴めれば合格の可能性はあると思います。

問題は③面接試験ですね。「指導者レベル」となっているので、そのスキルをどうやって身につけるかとういことです。

私は2級キャリアコンサルティング技能士に合格してから1級キャリアコンサルティング技能士を目指されるのが早道だと思います。

それは問題に共通点(評価基準、カウンセリングの進め方、システマチックアプローチ等)が多いので、それを熟練レベルの2級で身につけ、教える力も養って頂きたいと思うからです。 

今回はさわりでしたが少しずつ中身に入っていきますので、次回も楽しみにお待ちください。

2級キャリアコンサルティング技能士面接試験に苦労されている方へ

2024年02月23日 16:25

残り1ヶ月足らずでCC2級キャリアコンサルティング技能士試験の結果が分かりますね。

今日はこれまでブログで紹介したことを総括してお話ししたいと思います。

以下の◎印は必ず身につけて下さい。

◎多くの場合面談の最初の5分が合否の分かれ道です。相談者に「今ここ」の気持ちで「リアル感」を持って対応して下さい。

◎一にも二にも来談者と信頼関係を築くことに最後まで(20分間)継続・維持して下さい。

◎来談者の内的世界を理解するために「受容」「共感的理解」し、「自己一致」の姿勢を維持して下さい。

◎来談者の抱えている問題に直線的に深く関わって、わざわざなぜ相談に来たのか「主訴」を理解して下さい。

◎そのためには、自己探索の支援(気づきを促す関わり)を行い来談者の問題(気づいていない)を理解して下さい。

◎来談者の問題が見えてきたとしても「相談されましたか?」とか「提案」するなど問題解決に入らないで「気づきを促す」こと。

以上ができて初めて、来談者の本質的な問題に対し情報提供、自己開示等の軽めの積極技法が効果を発揮します。

それによって来談者が問題に気づきが生まれた(行動変容)なら、初めて相談者に「問題解決の方向性」の合意が得られる可能性が高いです。

◎20分のロールプレイが途中で終わったとしても、10分の口頭試問でリカバリーしながら答えましょう。

以下は私のやり方を逐語録でご紹介(主訴まで)していますので、参考にどうぞ!

Q1-3:2級にも対応インテーク面談を逐語録で詳しく教えてください。

カウンセリングの定義について

2024年02月17日 14:25

コーヒーカップ方式を命名された國分康孝著『カウンセリングの原理』を読んでいましたら、「カウンセリングの定義」の箇所が改めて考えさせられましたのでご紹介します。

カウンセリングとは、第一が「援助的人間関係」である。もう一つが「開発的カウンセリング」である。


援助とは何か、つまり何を援助するのかというと「行動変容」を援助する。

行動変容には、一つは問題解決。いわゆる治療的カウンセリングのめざす行動変容である。

もう一つは人間として、あるいは職業人としての成長。いわゆる開発的カウンセリングのめざす行動変容である。


カウンセリングでいう問題解決の「問題」とは、人生途上で誰もが遭遇し通過していく「問題」のことである。

第一は、生涯発達課題あるいはライフサイクルごとの問題。

第二は、生き方(life style)の問題。

第三は、選択の問題。


治療的カウンセリングのねらいが問題解決だとすれば、開発的カウンセリングのねらいはこれとは対照的に、問題の意識化ともいうべきものである。

「これからどんな人生を生きようとしているのか」「卒業してからどんな仕事をどんな考えで選ぶのか」と問うのが開発的カウンセリングの一例である。

いわゆる悩みがあるわけではないが、人間として、あるいは職業人として成長するのを援助する。


成長の援助とは何か。

①思考の変容:今まで考えなかったことを考えるようになる。ビリーフが修正される。洞察が起こる。

②行動の変容:今までしなかったことをするようになる。今まではできなかったことができるようになる。立ち振る舞いが変化する。スキルの学習。

③感情の変化:感情表現が豊かになる。あるいは逆に、感情のコントロールができるようになる。今までとはちがう感じ方ができるようになる。

 

以上を要約すると、カウンセリングとは、①問題解決の援助と、②パーソナリティ成長の援助のいずれかを主目標にした人間関係である。

いかがでしょうか。
改めてカウンセリングを考えると抱えていらっしゃるクライエントさん、論述試験問題上のクライエントの方向性が整理整頓しやすいと思います。

第24回キャリアコンサルタント国家試験合格者(OYさん)の声

2024年01月08日 13:49

後進の指導の意味を込めてお願いしたところ、「第24回キャリアコンサルタント国家試験合格者(OYさん)の声」が届きましたのでご紹介します。

第23回学科 第24回実技国家試験合格にあたり

養成講座を3月下旬に終えて7月の試験日までの計画を立てるにあたり実技試験合格に向けて指導者を捜していたところ過去に木原先生にお世話になったという知人に紹介を受けご相談してみたところ快諾していただきお願いすることになりました。

私はキャリアコンサルタント協議会を受験しましたので学科と実技の両方について少しでもご参考にしていただければ幸いです。


学科については養成講座の学習において毎週平日の夜間に2日計8時間の時間を確保することに苦労し、なかなか受験勉強に具体的に取り組むということができませんでした。

養成講座を終えたところで、3種類の参考書を実際に読んでみて自分に合っていると思えた1本に絞りました。

受験会場でお見受けしたところ、「みん合」「LEC」の参考書を持たれている方が多かった印象です。

過去問題について特に時間をかけ第1回から第22回までを全てやってみて、木原先生のご助言により加えて2級技能士の過去問にも数年分解いてみました。

特に7月の第23回の試験の直前の6月に実施された2級技能士の問題をやっておいたことがとても為になりました。

私見ではありますが、同じ方が問題作成されているのかと思えるくらい傾向が似ておりとても参考になりました。

学科についてはなんとか1度で合格したいという気持ちがありましたので、4月末までは学科のみ対策を行っておりました。

5月のゴールデンウィークあけに論述も面談もどうやって学習したらよいかわからず、木原先生のご指導を約2か月に亘り受けました。


結果として実技は不合格となり、先生のご指導通りにやっておればよかったなと反省し再度11月の試験に向けてお願いすることになりました。

ご指導の中で、逐語録を作成してみて振り返ってみたほうがよい、論述はロールプレイングを通して口頭試問の練習からの方が雰囲気を掴みやすいとご指導をいただいていたにも関わらず、学科にウエイトを置きすぎていたこともあり十分な準備をすることができませんでした。逐語録を一度も作成しなかったのです。

会社員として管理職の経験が長かったこともあり自分では意識していないにも関わらず、相談者の問題を解決する方向に導いていると何度もご指摘をいただきました。

このことが私の一番大きな課題でありました。

早口である、「なるほど」などの言葉が必要以上に繰り返されるなど難題山積な状態でした。

第23回の実技はセカンドキャリアの設定でありましたが、ウエブ経験しかない私にとって試験会場の雰囲気にのまれた部分もあり、キャリアコンサルティング協議会の試験要綱にある「相談者との関係を築き、問題を捉え、面談を通じて相談者が自分に気づき、成長するような応答、プロセスを心がける」ということは全くできていませんでした。

最初にCLが発する詳細な状況の内容の要点を逃していたのです。


屈辱的な不合格の汚名を挽回すべく2回目の挑戦となった第24回の受験に向けて私にとってはまさに真剣勝負でありました。

筋トレと同じでとにかく回数を重ねて練習するしかないという気持ちを持ち、1回1回の授業を大切にして一つでも多くのことを学びたいという姿勢でした。

木原先生におかれましてはお忙しい中、毎週授業ごとに私が作成する逐語録にすべて目を通してくださり、一文一文丁寧にご指導をいただきました。

その過程において自分の中で、なんとなくではありますが先入観のようなものを持たず、真っ白な気持ちを持って相談者の方に教えていただくという姿勢で自分なりの指針ができて、とにかくコーヒーカップを深く関係構築できるように意識しておりました。

特に逐語録の作成を通してCLとの関わりについて感覚で理解できるようになったことがとても参考になりました。

授業が終わる都度ポイントとなる印象的な先生のご指導の言葉を書きとめ、添削いただいた逐語録を何度も読みかえし何となく自分なりのカウンセリングスタイルが見えてきたような気もしました。

それはまさにCCとしての基本的な心構えができていなかったということに気づきました。


先生の添削後の文章はとてもハイレベルで自分では頭の中で浮かばない文章が多く、記憶して使用させていただき特に論述で助かりました。

先生が添削してくださった全ての逐語録をいつも携えて、時間があれば読み返してこれだけやったのだから大丈夫と自分を鼓舞しておりました。

1時間の授業の中で木原先生の熱いご指導に対する思いがいつも伝わってきて本当に感謝に堪えません。


振り返ってみると40回(論述解答添削、ロールプレイ、逐語録から口頭試問の添削、カウンセリング)を超える回数のご指導をいただいており、木原先生から都度いただいた「CLの味方になる」「最後まで諦めない気持ちでリアル感を持ってCLに寄り添う」という言葉をいつも思い出しておりました。

口頭試問も苦手で、できたこととできなかったことがうまく説明できないなど、その都度木原先生から暖かいアドバイスをいただき、時々ではありますが、木原先生から「最近よくなりましたね」とお言葉をいただいた時はとても嬉しかったです。


2回目となった第24回の試験では同じ部屋の全員が再受験組であり、論述については何とか書けたという手ごたえでした。

1週間後の実技では「2回目の転職」がテーマであり、関係構築についてはある程度はできたという実感がありましたが、相談者が気づき、成長するような応答、プロセスという点については反省しきりでした。

先生からの大切なアドバイスを失念していたのです。

「転職について今回はいつから考えておられるのですか。」

「その時に何かきっかけがあったのですか。」

授業の中で転職がテーマの時に木原先生からまさに魔法の言葉をいただいていたのに、緊張のせいか出てこなかったのです。

あの時にこの言葉を言えていれば展開も180度変わっていたと本当に後悔しきりで、後日木原先生にご報告したところ、関係構築ができているから大丈夫とお言葉をいただいたものの、合格発表日までおそらく不合格だから年始から第25回に向けて3度目の挑戦をすればいいなどと自問自答して悶々とした毎日を過ごしておりました。


合格していたことをお伝えすると木原先生もとても喜んでくださり、半年に亘るご指導に対して恩返しできたという気持ちとやっと終わったというほっとした気持ちでした。

実技が本当に苦手な私でも合格を手にすることができたのです。

面談の「展開」については本当に一言で変わるという印象ですが、「態度」「自己評価」については結論を急がず関係構築を第一義に進めていればよかったと思っています。

口頭試問において特にできなかったことを素直にできなかったとお伝えすることも大切なポイントと思われます。

私はできなかったことの説明が不十分と感じたので口頭試問はまさに必死になって思いつくことをお話した次第です。


先生とのロールプレイングの「営業職」への転職のケースと全く同じケースで記憶していた一文をそのまま今後の方針としてお話できたことが合格できた大きな要因と思っています。

また先生に自己一致ということが全く理解できない、参考書に書いてあることが何を書いてあるかわからないとお伝えすると、本当にわかりやすく教えていただいたことがとても印象的でした。

スカイプ塾のブログも全て拝読し理解が深まったと思えても、やはり先生とのロールプレイングが上達のベストな方法であったと痛感しています。


ご支援いただいたお陰で途中で投げ出さずに続けることができました。

キャリアコンサルタントの資格を取得する受験勉強が終わりましたので、今後は資格を今の仕事に活かし対人支援に関わって行きたいと思います。

木原先生、長期間に亘り親身になってご指導ご支援くださり厚くお礼申し上げます。

本当にありがとうございました。

OYさん、合格おめでとうございます。
初めてお会いした印象は「学びに対する取り組む姿勢がとても純粋である」ことでした。
第23回学科試験はこれ以上ない成績を収められ、第24回面接対策はロールプレイ後の逐語録にあてられ、苦労されながらも終盤には、キャリアコンサルタントがクライエントにどう関わるのかを会得され、口頭試問の練習で自分を客観視できるようになり、合格を果たされましたね。
今回の合格者の声から私のうかがい知ることができなかった苦悩の中で合格を手にされたことが分かり、改めて労をねぎらいたいと思います。
さて、OYさんの今後について伺ったところ、さらにカウンセリングの専門性を深められ、新たな目標を決められており、挑戦されるとのこと。
これからもOYさんの学びに対する純粋な姿勢を発揮され、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

「インテーク面談」3と4と6の説明

2023年12月07日 12:11

今日は「インテーク面談」3と4と6について説明したいと思います。

.カウンセラーとして、クライエントの話がよく理解できたと思われたときには、自分がどのように理解したかを伝え、逆に良く理解できないときは、もう一度話してくれるように求める、といった形で積極的に応答しつつ傾聴することが大切である。

それでは、前回の宇梶さんを例に続きをやってみましょう。

CC4:そうでしたか。今の研究職から管理的な仕事へ変わるのではないかと...

そのことについて宇梶様はどう思われていますか?


CL4:私は大学院で博士号を取り助手を7年続けていましたが、妻と結婚し子供ができ養うのが厳しく、相談したところ上司である教授の紹介もあり、今の会社の研究職に就き9年、誇りを持って続けてきました。それができないなら研究職を続けられるところへ転職した方が良いのではないかと思っています。

CC5:そうでしたか、今の研究職に誇りを持っておられるのですね。…転職についてはどう思われていますか?

CL5:自分なりに当てはありますが、今の住居を変わることも覚悟して考えないといけないんです…。

CC6:覚悟と言いますと?…。

CL6:住居が遠方になることを、妻や家族にどう話そうかと…。

CC7:奥様も含めご家族に相談できていないのですね。(はい、そうなんです)

ここで「インテーク面談」6ですね。

6.カウンセラーはクライエントがキャリアカウンセリングを必要とした理由(目標あるいは問題)をみきわめていくこと。

CC7(続):宇梶さんは...今の研究職を続けるには転職しかない(はい)。当てはあるが遠方に引っ越す必要があり(えー)、...今の幸せな暮らし(はい)を続けられるのか不安で(はい)、奥様にどう話そうか迷って(はい)、...それで今日こちらに相談に来られたのですね。

CL7:はい!そう!そうなんです!

CC7はインテーク面談3の「クライエントの話がよく理解できたと思われたときには、自分がどのように理解したかを伝え、」そして
インテーク面談6のクライエントがキャリアカウンセリングを必要とした理由(目標あるいは問題)をみきわめていくこと」

ですね。

この考え方は来談者中心療法の「自己一致の姿勢」に繋がると思います。

そして、CC1からCC7のクライエントの関わりを通して、以下の「インテーク面談」4の最も大切な関係構築に繋がると思います。

.カウンセラーが応答しつつ確認することは、クライエントにとってきちんと聴いてもらっていることをしることになり、カウンセラーへの安心感や信頼感を増すことになる。

宇梶さんの話は転職の話までですが、この後、家族への思いや知的財産部の話へ発展することでしょう。

いかがでしょうか? 
インテーク面談でクライエントにカウンセラーがどう関わり何をしなければならないか逐語録から役割を説明しました。

さて、もうすぐCC2級第31回学科・論述試験が始まり、年明け早々面接試験ですね。
頑張ってください!いつも応援しています(^^♪

「インテーク面談」2の説明

2023年12月03日 07:53

今日は以下の「インテーク面談」2について説明したいと思います

2.質問は単にカウンセラーが情報を得るためではなく、クライエントが自身の問題を掘り下げるのを援助するために用いられる。また、質問されることでクライエントは、それだけで関心を持たれていると感じることにもなる。

CC2:宇梶様は化学素材メーカーの研究所にお勤めで、取り組んでおられる研究も順調に進んでおられ、やりがいを持って働かれていが...先日、知的財産部の方へ異動の打診があったのですね。......ご自身はこれからもずっと研究職の仕事を続けられると思ってたが、戸惑っておらる。......それで、専門の研究職を続けられるところに転職した方が良いのか、今の会社に残るべきか、...迷っておられ、相談に来られたのですね。

どんなことに迷っておられますか?

ここからが本題ですね。

CL2:そうですね。一つは知的財産部へ異動すると、これまで築いてきた研究職が続けられなくなると思うんですね。…

CC3:研究職が続けられなくなる…

それはどうしてなのでしょうか?

CL3:知的財産部の仕事そのものは知らないのですが、私たちの研究を進める上でなくてはならない特許情報などを一括管理していますので、おそらく管理的な仕事になってしまうのではないかと思っています。

CC4:そうでしたか。今の研究職から管理的な仕事へ変わるのではないかと…

そのことについて宇梶様はどう思われていますか?

このアンダーラインのところ「そのことについて宇梶様はどう思われていますか?ですね。
これがクライエント自身が問題を掘り下げる切っ掛けになってくると思います。

いかがでしょうか?

「インテーク面談」1の続き

2023年11月28日 07:42

今日は前回のインテーク面談の1の続きです。

.カウンセラー の質問は、クライエントの気持ちの流れに添っていくことが必要で、事実や状況についての理解がまだ不十分だと思われたときに、質問して確認するという姿勢が大切である。 

事実や状況についての理解がまだ不十分だと思われたときに、質問して確認する」するところですね。

CC2:宇梶様は化学素材メーカーの研究所にお勤めで、取り組んでおられる研究も順調に進んでおられ、やりがいを持って働かれていが…先日、知的財産部の方へ異動の打診があったのですね。...…ご自身はこれからもずっと研究職の仕事を続けられると思ってたが、戸惑っておらる。...…それで、専門の研究者を続けられるところに転職した方が良いのか、今の会社に残るべきか、...迷っておられ、相談に来られたのですね。 

この後、何を問うかですね。

もう少し詳しく教えて頂けますか?」とスタンダードに問うのもよいですね。

「どんなことに迷っておられますか?」

 と私ならオープンにシンプルに問います。

それは、どうして?何を迷っているのか?どこから迷いがきているのか?CLの事実や状況の理解の「今ここ」が聴けるのではないかと思うからです。
CCにとってはこのCLの「人となり」「自己概念」「キャリアアンカー」にも繋がると思います。
同時に、CLにとってはCCに問われることで「振り返る」そして「気付きが生まれる」ことに繋がってくると思います。

一番最初の問いかけは大変重要です。今後の展開に大きく影響すると断言できます。

次回もお楽しみに!

「インテーク面談」1についての説明

2023年11月27日 19:18

2級面接試験のロールプレイケースが受験票と共に送られてきましたね。
そこで、今日は「インテーク面談」から私なりに行っている方法をロールプレイ(逐語録)で説明したいと思います。

インテーク面談 
.カウンセラー の質問は、クライエントの気持ちの流れに添っていくことが必要で、事実や状況についての理解がまだ不十分だと思われたときに、質問して確認するという姿勢が大切である。 

私が行っているCLに関わるイメージはクライアントの言葉の波長(リズム)に合わせ、特に気持ちの部分は「はい」「えーえー」「打診・・・」と相槌と促しで、CLが話易いように流れに添って、言葉で繋げる『樋を繋げて流す』感覚です。

以下の事例を参考にどうぞ!

CC1:宇梶様、今日はどのようなご相談で見えられましたか?

CL1:はい、私は今ですね、化学素材メーカーの研究所に勤めてるんですね(はい)、それで取り組んでいる研究も順調に進んでおりましてねえ(はい)、やりがいを持って働けていたんですけれど、...先日ですね(はい)、知的財産部の方へ異動の打診があったんですね(打診...)。えー、私はこれからもずっと研究職の仕事を続けられると思ってたんですけど(えーえー)、戸惑っていましてね(戸惑う...)、えー、私自身は専門の研究者を続けられるところに(はい)、転職した方が良いのか、今の会社に残るべきか(えーえー)...迷ってまして、相談に来ました。

いかがでしょうか?

CC1から優しく丁寧に関わり、CL1の「クライエントの気持ちの流れに添う」気持ちが感じられますでしょうか。「はい」はYES。「えーえー」はもっと続けてください。「打診...」「戸惑う...」CLの気持ちを理解したい気持ちを持って続けてもらう時に使います。

では続けて、ここからがCCにとって非常に重要な「リフレクション(伝え返し)」です。

CC2:宇梶様は化学素材メーカーの研究所にお勤めで、取り組んでおられる研究も順調に進んでおられ、やりがいを持って働かれていたが...先日、知的財産部の方へ異動の打診があったのですね。...ご自身はこれからもずっと研究職の仕事を続けられると思ってたが、戸惑っておらる。...それで、専門の研究者を続けられるところに転職した方が良いのか、今の会社に残るべきか、...迷っておられ、相談に来られたのですね。

これは理想的な伝え返しですが、コツはCLの言った特に「感情の言葉」「大事な事柄」をそのまま返すことで、CLは振り返っています。そして、...「間」や一本調子にならず「抑揚」も大切ですね。
私自身は最近はこのような理想的な伝え返しをやらず(^^♪、CL1からCLにとって大事な事柄や感情を受け止め、次に問いかけています。
「ここから次は何を問うか?」最初の問いかけですね。
最初に述べたインテーク面談の事実や状況についての理解がまだ不十分だと思われたときに、質問して確認する」のところですね。

次回をお楽しみに!

キャリアカウンセリングの進め方「インテーク面談」

2023年11月21日 13:27

キャリアコンサルタント国家試験が終わり、2級キャリアコンサルティング技能士試験が始まりますね。

特に捉えて欲しいキャリアカウンセリングの進め方「インテーク面談」についてご紹介します。

.カウンセラー の質問は、クライエントの気持ちの流れに添っていくことが必要で、事実や状況についての理解がまだ不十分だと思われたときに、質問して確認するという姿勢が大切である。

.質問は単にカウンセラーが情報を得るためではなく、クライエントが自身の問題を掘り下げるのを援助するために用いられる。また、質問されることでクライエントは、それだけで関心を持たれていると感じることにもなる。

.カウンセラーとして、クライエントの話がよく理解できたと思われたときには、自分がどのように理解したかを伝え、逆に良く理解できないときは、もう一度話してくれるように求める、といった形で積極的に応答しつつ傾聴することが大切である。

.カウンセラーが応答しつつ確認することは、クライエントにとってきちんと聴いてもらっていることをしることになり、カウンセラーへの安心感や信頼感を増すことになる。

.質問は、カウンセラーの興味主導にならないようにし、カウンセラーの持っている枠組みを確かめようとしたり、自分の関心を満たすための質問は避けなければならない。

6.カウンセラーはクライエントがキャリアカウンセリングを必要とした理由(目標あるいは問題)をみきわめていくこと。


.称賛は、自分が気づいた相手のプラスの面を伝えることで、相手の心をほぐし、気持ちを和らげることにもつながる。ただし、面接初期には、クライエントの言動を「称賛」しない方がいいということもある。褒めるということは、カウンセラーの好み、価値観の期待を明らかにすることであり、クライエントが無理をしてカウンセラーに合わせようとして、クライエントの自己表現を方向付けてしまう危険性があるからである。

出典1級キャリアコンサルティング技能検定問題解説集キャリアコンサルティング協議会より

リフレクション(伝え返し/映し出し)

2023年11月12日 14:20

今はキャリアコンサルタント国家試験の面接試験の只中ですね。そして、これからキャリアコンサルティング技能士の試験が始まりますね。
さて、今日はロジャーズの「リフレクション」-伝え返し/映し出し-についてまとめてみました。
リフレクション(伝え返し/映し出し)

 セラピスト(以下カウンセラー)として私の見解を言えば、私は「感情をリフレクト」しようとはしていません。クライアントの内的世界について私の理解が正しいかどうかを確かめようとしているのです。クライアントがそれを今体験しているとおりに私がそれを見ているか、確かめようとしているのです。私の応答には、次のような無言の問いが含まれています。

「あなたの中でそれはこんなふうになっていますか」「私は、あなたが今体験している個人的な意味の色合いとか肌合いとか味わいを、ちゃんとキャッチできていますか」「もしそうできていなかったら、私は自分の知覚をあなたのそれに一致させたいのです」。

一方、クライアントの側から見れば、私たちはクライアントが現在体験しつつあることの鏡を提供しているのです。その鏡に映し出され、別の人の目を通して見られた感情や個人的意味は、よりシャープになっていくようです。だから私は、「感情のリフレクション」ではなく、「こちらの理解をクライアントに確かめてもらう(Testing Understandings)」とか「こちらの受け取りをクライアントにチェックしてもらう(Checking Perceptions)」という言葉を使うことを提案します。こういった言葉のほうが、より正確であると思えるからです。

 カウンセラーのトレーニングにも有益です。「リフレクト」しようとするのに比べると、相手の内的世界についての自分の理解や受け取りを確かめようとすることにほうが、応答したり質問したりする際の健全な動機となるように思います。(Rogers,1986c)

このようにロジャーズは死の前年、一般に「感情のリフレクション」と呼ばれ、ただの言葉の繰り返し、オウム返しとして誤解されたまま流布している技法の内実は、クライアントの体験世界の「鏡」になることであり、その「鏡」に映し出された相手の内的世界についてこちらの理解や受け取りをクライアントに確かめてもらうことにある、と言っているのである。

もう一つ関連して、以下のことを述べています。

「カウンセラーが消える体験」「二人でいるけど一人でいるような体験」 

カウンセラーは、自分を消す。クライアントを映し出す鏡となる。そのための道具となることに徹する。ここには職人の美学がある。

だからこそ、クライアントには「二人は二人でありながら、どこか一人である」「私たちは、私である」と感じられるのである。

「自分を消し、クライアントの鏡になることに徹する」スタイルのカウンセリングにおいて、カウンセラーはクライアントの意識からきえる。

そしてその瞬間にクライアントは自分自身と出会う。 
      (略)

人間が変化するのは、わかりやすく言うと“ひとりでぽつんといるとき”である。

掻い摘んで紹介しましたが、カウンセリングはCCがCLの鏡になってCLが自分自身に向き合う役割。
これが来談者中心療法の肝なんですね。いかがでしょうか。
出典「カール・ロジャーズ カウンセリングの原点」著者諸富祥彦(角川選書)  

ロジャーズの来談者中心療法

2023年10月07日 15:06

今日はこれまでのまとめとして、「ロジャーズの来談者中心療法」をご紹介します。

1.ロジャーズは、来談者の生来的な適応、成長能力を信頼し、来談者の持つ自己実現傾向を信頼することを強調した。そして、カウンセリングを来談者主導のもとに進めていくことを主眼とし、来談者中心的カウンセリングとした。

2.相談者とカウンセラーの間に温かで受容的な雰囲気を醸し出すことで、相談者はそれまで意識することを否定してきた内面の危険な領域にも一歩一歩踏み入れ、あるがままの自分を受け入れ、新しい目標を選び、より大きな心理的成長と成熟へ向かうことができる。

3.クライエントの人生においてはクライエントこそが主人公であり、カウンセラーの「クライエント中心」の態度によって、クライエントは本来の力を十分に発揮し問題を解決していく。したがって、問題は何か、どう解決したらいいのかについて、最もよく知っているのはクライエント自身であるので、カウンセラーはクライエントに何かを教える必要はないというのが来談者中心療法の考え方である。

4.ロジャーズは「治療的人格変化の必要性にして十分な条件」として、以下の6つの条件を挙げている。

①2人が心理的接触をもっていること。

②クライエントは、不一致の状態にあり、傷つきやすい、あるいは不安な状態にあること。

③セラピスト(以下カウンセラーとします)は、この関係に中で一致しており統合されていること。

④カウンセラーは、クライエントに対して、無条件の肯定的な配慮を経験していること。

⑤カウンセラーは、クライエントの内的照合枠(※)に共感的理解を経験しており、そしてこの経験をクライエントに伝達するように努めていること。

⑥カウンセラーの共感的理解と無条件の肯定的配慮が、最低限クライエントに伝わっていること。

5.カウンセラーは自己一致していて純粋であるとともに、来談者に無条件の肯定的配慮を示し、無条件に受容することによって、来談者自身が自分を尊重できるようにする。(③④)

6.カウンセラーは、共感(感情移入的理解)を示し、来談者の内的照合枠(※)を「まるで」自分の世界のように感じ取り、正しく理解し、その理解を伝達する。(⑤) 


※感覚・知覚・意味・記憶を含め、体験領域にある全てのもので、いつでもその人の気づきにのぼらせることができるもの
1級キャリアコンサルティング技能検定学科問題解説集キャリアコンサルティング協議会より

いかがでしょうか?

簡単にまとめると「来談者中心療法は来談者の自己実現傾向を信頼し『自己一致』するカウンセリングを行うこと」ではないでしょうか。

「一致」自分自身の深い受容と共感)  = 「受容」 + 「共感的理解」相手) 

CC2級第30回論述試験の傾向で指摘された問題点の振り返り②

2023年10月02日 17:30

CC2級第31回試験申請手続きの締め切りが明日ですね。
さて、今日は前回つづきで第30回論述試験の「傾向」で指摘された問題点の残りを私になりに振り返ってみたいと思います。

■ 目標と具体的な方策について

①相談者が学生の場合に陥りやすいことかもしれませんが、「指導する、教えてあげる」というような評価的な視点とも感じられる発言が散見されたことが気になりました。

②方策について、この相談者に合致しないと感じられる理論の引用やアセスメントの 活用に関する解答も多く見受けられました。キャリアコンサルタントは知識を身につけることも大切ですが、それは相談者を支援するためのものであることを忘れてはならないと思います。この相談者にとって、設定した目標やその方策はどのよう な効果を期待できるのか、という視点も必要ではないでしょうか。

③今期のケースでいうところの就職活動という、登ったことのない大きな山を目の前 にした相談者に対し、ジョブタグ、キャリアインサイト、VPI 等を薦めることは方策としては考えられることではありますが、ツールありきになってはいないでしょか。先ずは相談者が今どのような状況にあるのかを検討した上でその時の状態や変化に合わせた具体策を考えると、より相談者の役に立つと考えます。

〈上記の振り返り〉

① 目標でも方策でも「指導する、教えてあげる」の言葉は絶対に使いません。
・目標で使う言葉としては主語が相談者ですから「不安を解消し」「明確にし」「自律的に行動できるようになること」。また、大学3年生ですから「活動を通し成長する」「就職後のありたい姿」もいいですね。

②方策の考え方は、相談者を目の前にしてカウンセリングをするように展開します。
・CCの意図としては「関係構築を深める」「ラポールを形成する」「不安を解消し、冷静さを取り戻して頂く」「一緒に整理し」「ヒアリングを行い」「インタビューし」「自己理解を深める」etc
・後半でやっと「提案する」「相談するよう促す」「行動変容を促す」etc

③また、ツールありきにならないよう②にプラス、「必要に応じ」と前置きし、「VPI職業興味検査」「GATB」の活用、「学生用ジョブ・カード」、仕事理解等には「job tag」を紹介する。

■その他

①文章が冗長的で何を伝えたいのか理解しづらい解答が散見されたことが気になりました。特徴としてはどのケースにも当てはまりそうな一般的な用語を何とか当てはめようと苦労したあとが見られ、結果、今回の学生の事例から離れてしまっているようにも感じられました。

②また「傾聴」「価値観」「情報収集」などの用語で、キャリアコンサルタントであれば間違えてほしくない漢字の誤りが多いことも気になりました。相談において面談記録を適切に残すこともキャリアコンサルタントの重要な役割の一つと考えますので、その力もつけていただきたいと思います。

〈上記の振り返り〉

①転職やセカンドキャリアといった社会人の問題とは違い、学生特有の問題として「将来のなりたい姿」が見えず、「職業観」浅く「就職活動」に実感がないことを念頭に、CLの「努力している点」「気づいていないが光もの」に着目することが特に必要だと思います。

②誤字脱字は間違いなく減点されますので、制限時間の5分前に見直すだけでかなり防げると思います。

以上ですが、いかがでしたでしょうか?

論述対策で苦労されている方は「スカイプ塾」に来塾し、添削指導以外に面接試験対策を行っていますので、お待ちしています。 

CC2級第30回論述試験の傾向で指摘された問題点の振り返り①

2023年09月23日 14:05

CC2級第31回試験申請手続きに入りましたね。
今日は前回の第30回論述試験の傾向で指摘された問題点を私になりに振り返ってみたいと思います。

■「相談者がこの面談で相談したい『問題』は何か」について

①相談者の発言を転記するだけに留まり、要点をまとめた書き方ができていないものがいくつか見られました。

②また問1と問2の内容を混同した解答があったことも気になりました。

③相談者が訴えたこととキャリアコンサルタントの見立てについて整理できていることが、相談場面においては重要であると考えます。

〈上記の振り返り〉
①ここは逐語録記録よりCLが言ったことのなかで、特に「感情」その他、CLの言葉に「この人ならではの言葉」を拾う。
②CCの言った言葉は混同しないように参考する程度で無視する。
③見立てる時は逐語記録を読みながらCLの言った言葉の右の余白に『自己』(自己理解不足)『仕事』(仕事理解不足)等と記入することで混同を避ける。

■「キャリアコンサルタントとしてあなたが考える、相談者の『問題』は何か」について

①問題の背景にある相談者の就職活動に対する不安について触れた解答は少なかった印象です。

相談者に「わかってもらえた」と実感してもらうことは関係構築では重要な要素であり、その後の変化に影響を及ぼすことはご存じの通りですが、試験においても実際の相談場面と同様に相談者の真の問題を捉えていたたきたいと思います。
②「自己理解不足」「仕事理解不足」「コミュニケーション不足」といった一般的な転職支援にもあてはまるような解答や、なぜそれらが不足しているのかという根拠が 事例とずれていると感じられる解答が、これまでと同様に多かったことはとても残念でした。

③それらは今回のケースにもあてはまる部分はあるかもしれませんが、新卒者の就職活動特有の問題をイメージできていないと思われる解答は気になりました。

〈上記の振り返り〉
①〝相談者の背景にある問題〝〝実際の相談場面と同様〝とは文章を読みながら面談をするようにこの大学3年生の7月という相談者の置かれた『今ここ』を考えることを言っており、論述問題と言うより『リアル感』を持って考えCLが「Yes」と言ってもらえるかが必要だと思います。
②見立ては「問2キャリアコンサルタントとしてあなたが考える、相談者の「問題」は何かを記述せよ。」ですから国キャリのように「根拠」「問題点」を示せば良いだけではありませんね。CCとしてあなたの考え方を元に「根拠」を示し、「内容を説明」し、「問題点は何か」を指摘することだと思います。
③「新卒者の就職活動特有の問題」ですから(一般的に)(1)就職活動の経験がないこと(2)働いた経験がないこと(3)将来のなりたい姿は個々にばらつきがあること。等の発達的視点が必要となると思います。

次回もお楽しみにお待ちください。CC2級第30回論述試験の傾向で指摘された問題点の振り返り②へ

ここまで、もう少し続きを聞きたいと思った方は「スカイプ塾」に来塾し直接お尋ねください。

再び「受容」と「共感」について

2023年09月11日 20:15

「一致」について書いてきましたが、「受容」と「共感」についてCC視点で表現されており、わかり易いと思い紹介します。

受容(無条件の積極的関心)とは

「クライアントがどんなことを言っても嫌な気持ちにはなりません」

「クライアントについても、その話すことについても、肯定したり否定したりする気持ちは起こりません。ただ受容するだけです。」

「私はクライアントに対して、ただ温かな気持ちを持っています。その人の可能性についても、その人の弱点や問題についても温かい気持ちを抱いています。」

「クライアントが話すことについて、判断を下そうという気はありません」

共感(共感的理解)とは (※セラピストをカウンセラー、患者をクライアントに置き替えて良いと思います)

「セラピストは、自分がクライアントの内側のフレームに立って、クライアントを内側の視点から、共感的に理解していることを体験している。またクライアントにこの自分の体験を伝えようとしている」

「セラピストは、患者の感情をよく理解することができる」

「セラピストは、患者の述べている意味について決して疑いを持たない」

「セラピストの言葉は、患者の気分やその述べている内容にぴったり適合している」

「セラピストの声の調子は、患者の感情を理解する完璧な力を持っていることを示している」

「カール・ロジャーズ カウンセリングの原点」諸富祥彦著(2021年03月24日角川選書発行)より

第23回キャリアコンサルタント国家試験合格者(HMさん)の声

2023年09月03日 14:57

第23回キャリアコンサルタント国家試験合格者(HMさん)の声が届きましたのでご紹介します。

養成講座を終え、これからどのように実技試験合格に向けてやっていこうかと自分に合う指導者を探した末、辿り着いたのが木原先生の所でした。

直感でこの方しかいないと思え、ご指導を依頼しました。


周囲に手本となる方が居なかった事もあり、初学者として全く自信が持てなかったのですが先生は「もっと自信を持たれていいですよ」と仰って下さる中で少しずつこんな感じでいいんだと思える様になってきました。


面接試験当日は、練習通りに!と思っていましたが実際にそれは難しく反省ばかりで手応えは無かったのですが無事に合格していました。

木原先生からは、その話しやすい雰囲気が私の特徴でそのままでいいと仰って下さった事が一番嬉しかったです。


振り返ると仕事を調整し子育てしながら勉強を優先した日々でした。

小さな子供が体調を崩す事は多く、限られた時間で想像以上に大変な日々でした。

慌ただしい時も前向きに先生との練習に取り組み続けたのは先生から得られる学びが私に合っていた事、そして家族の支えや協力なしにはここまで来れませんでした。


そんな中でも学科実技共に初受験で合格出来たので、同じ様な環境下におられる子育て中の方の少しの希望となればと思います。

これからも自分のおかれた環境を大切にしつつ、対人支援の経験を積んでいく事が出来たらと思います。

HMさん、合格おめでとうございます。
初めてお会いした印象は、子育てで大変な中で、いつも笑顔で明るく、そして『合格』に強い意志をお持ちの方でした。
合格者の声を拝見し、同じような環境で子育てをしながらキャリアアップするお母さんを共に応援されていたのですね。
これからもロールモデルとして、ご活躍をお祈りいたします。

第23回キャリアコンサルタント国家試験合格者(NSさん)の声

2023年08月24日 19:14

今日は第23回キャリアコンサルタント国家試験合格者(NSさん)の声が届きましたので紹介します。

この度、第23回試験に合格することができました。

私は養成講座を受講している時からロープレがとても苦手でした。

15分という時間がとても長く感じ、何を質問したらいいのかということばかり考えてしまい、試験を受けられるレベルではありませんでした。

でも、この苦手を何とか克服しなくてはと思い、キャリアコンサルタントの資格を持つ友人が以前大変お世話になったと言っていた木原先生のことを教えてもらい、スカイプ塾に申し込みをしました。


4月22日に初回。それから試験直前までの毎週土曜日。
そして1ヶ月前からは日曜日もプラス。さらに面接試験の週には1日おきで予約を入れさせていただき、合計20回 ご指導いただきました。

とにかく自信がなかったので、筋トレのように何度も行う事以外に方法はないと思ったからです。


最初のころは質問に困って沈黙し、一旦中断したりしていましたがその都度木原先生は温かく寄り添い、アドバイスをくれました。

そして回を追うごとに 少しずつ自分自身のマインドが変わっていくのを実感できました。

やはり一番良かったと感じるのは逐語記録でした。
文字起こしをしながら振り返り、さらに先生に添削していただくことで相談者との関わりを頭ではなく感覚で理解できるようになっていきました。

途中、添削→宿題のやり取りが 何度か続いた時くじけそうになったこともありましたが(笑)ここを乗り越えないと私は変われない!となんとか食らいついていきました。

この逐語記録のやり取りはロープレだけでなく、論述試験の対策にも非常に役に立ったと思います。 


試験まであと1ヶ月を切った頃、木原先生から「 合格点に達していますよ。上達されましたね 」とおっしゃって頂けた時はとても嬉しかったです。

この頃からだんだん自信がついてきて「今日の相談者はどんな方だろう」と毎回楽しみになりました。

しかしまだまだ私には課題があって、口頭試問が5分以内に収まらず、ずっと苦戦していました。
これは試験直前まで続きました。


試験の2週間ほど前になってくると常に気持ちがそわそわして落ち着かず、こんな状態で大丈夫なのかと思っていました。
ですが1週間前ともなると開き直ったのか、ドンとこい!というようなどっしりとした気持ちになっていました。


そして学科と論述試験の日を迎えました。

午前中の学科試験は問題なく終わりましたが、午後の論述試験は残り5分というところでまだ最後まで書き終えていませんでした。
気持ちが焦り文字を書く手がブルブルと震えだしました。
反対の手で押さえながらなんとか書き切りました。


実技面接試験は翌週にありました。

もう完全に開き直っていたので全く緊張はしませんでした。
ロープレは今までやったことのない事例の相談者でしたが 、途中私の問いかけにより相談者が気づきを得る場面もあり、まあまあできたのではないかなという実感がありました。

口頭試問ではとにかく時間をオーバーしないように心がけながら、最後の「この資格を取ったらどう活かしますか」という質問まで答えることができたのでとりあえずほっとしました。


試験終了から合否発表までの期間が長くて待ちくたびれました。

発表当日はとても緊張してドキドキしながら自分の受験番号を確認しました。
自分の番号が確認できた時はとても嬉しかったです。


とにかく木原先生に合格の報告をしたいという思いで頑張ってきたので、家族に伝えた後は真っ先に先生にご報告させていただきました。

「良かったですね!良かった。良かった。」と一緒に喜んでいただいて心から嬉しかったです。


こうして私はキャリアコンサルタントとして活動する切符を手にしました。
これから1人でも多くの方の支援をすることが私の使命であり、ご指導くださった先生への恩返しだと思っています。


木原先生、本当にありがとうございました!

そして、木原先生とのご縁を繋いでくれた友人と、応援し協力をしてくれた家族にも心から感謝しています。

NSさん合格、おめでとうございます。

スカイプ塾でお会いした時は、ロールプレイで質問に悩まれ、納得できるまで練習を重ね、中盤からロールプレイを楽しまれ、終盤は自分らしくなられたのを思い出します。
合格者の声を拝見し、 持ち前の明るさの裏で一生懸命努力され、乗り越え自分のモノにされましたね!
これからキャリコンを目指される人にとって、頑張ろうと勇気を持たれるに違いありません。
キャリアコンサルタントとしてのキャリアを積み、困っている多くの方にご支援をして頂きたいと思います。
これからも益々のご活躍をお祈りいたします。

ロジャーズの「実現傾向」概念『ア・ウェイ・オブ・ビーイング(在り方、生き方)』

2023年08月21日 09:23

今日は第23回キャリアコンサルタント国家試験合否発表の日ですね。結果はどちらも意味のあることだと思います。

さて、今日はロジャーズ晩年の著作『ア・ウェイ・オブ・ビーイング』の中で示されたものをご紹介します。(「カール・ロジャーズ カウンセリングの原点」諸富祥彦著、角川選書より)

「ありとあらゆる生命体は、自らの可能性を実現していくようにできている。(略)内的な刺激があろうとなかろうと、環境が好ましかろうとなかろうと、生命体の行動は自らを維持し強化し再生産する方向に向かっている。これが、私たちがいのちと呼んでいるプロセスの本質である。(Rogers,1980)」

この世におけるすべてのいのちあるもの、すべての生命体は、自らに与えられたいのちの働きを発揮して、よりよく、より強く生きようと定められている、というのである。

例としてロジャーズは、彼が少年時代に見た、小さな窓しかない地下室の貯蔵庫に入れられていたジャガイモを引き合いに出す。

「(略)この悲しいきゃしゃな芽は、窓からもれてくる薄日に届こうと、60センチも90センチも伸びるのです。逆境にあってもそれら(ジャガイモ)の芽は成長しようともがいているのです。(中略)おそろしく歪んでしまった人生を生きているクライアントと面接している時、あるいは、州立病院に戻ってきた患者と面接している時、私はよく、あのジャガイモの芽を思い出します。あまりにひどい状況を生きてきたために、これらの人々は異常で、歪められ、人間らしくない人生を展開させてしまったひどい状況にいます。けれどもその基本的な志向性は信頼することができるのです。彼らの行動を理解する手がかりは、もちろん自分に可能なやり方に限られますが、成長と生成に向ってもがいているということです。健康な人間には奇妙で無駄と思えるかもしれないけれども、その行為は、生命が自己を実現しようとする必死の試みなのです。この潜在的な建設的傾向がパーソンセンタード・アプローチの基本なのです。(Rogers,1980)」

晩年のロジャーズは、さらに「より広い視点から見た形成的傾向」として宇宙そのものについて語る。「この宇宙には、ある形成的傾向が働いていて、しかもそれはこの世界のあらゆるレベルで観察できる」という考えをより根本的な仮説として提示するのである。つまり、自らを維持し実現し強化する方向に向かっていく実現傾向は、「生命システムの傾向であるばかりでなく、私たちの宇宙に存在する強力な形成的傾向の一部であり、それはあらゆるレベルで顕現している」と考えるようになったのである。(Rogers,1980)

結びのほうに著者の意見がありましたので、紹介します。

これまでロジャーズの人間論を見てきたが、いかがだろうか。ロジャーズの人間論が「楽観的」「性善説」「人間に成長の力がある」などといった平板なものではないことがわかっていただけたのではないだろうか。

いかがでしょうか?

私が最初にCDAの養成講座で聴いた「人間はいくつになっても成長する」考えから、ロジャーズの「この世におけるすべてのいのちあるもの、すべての生命体は、自らに与えられたいのちの働きを発揮して、よりよく、より強く生きようと定められている。」そして、少年時代のジャガイモの話から「…異常で、歪められ、人間らしくない人生を展開させてしまったひどい状況にいます。けれどもその基本的な志向性は信頼することができるのです。」後半の「その行為は、生命が自己を実現しようとする必死の試みなのです。」の意味は合格した人、再チャレンジされる人にはキャリアコンサルタントの誇りと大きな役割を担っていると感じました。私もブログ「キャリアコンサルタントへの道を歩いて」に繋がるよう頑張ります!

「自己は外側から内に向かって作られる。」

2023年08月19日 11:35

お盆は過ぎましたが、暑い日が続きますね。国キャリと2級試験結果が間も無く発表の日を迎えますね。
今日はお盆休みに図書館の本を読んでいて出典を忘れましたが、気になる言葉がありましたのでご紹介します。

「人は話すことによって自分自身を実在のものとするが、自己を構成するためには、人は言語だけではない何かを必要とする。人は内省する経験、特に対人関係の経験を必要とする。

なぜなら自己は外側から内に向かって作られ、内側から外に向かって作られるものではないからである。」

塾生さんからいろんな質問を受けますが、特にカウンセリングは本を読んだだけでは身につきません。上記の言葉に「人は内省する経験、特に対人関係を必要とする」。当たり前だと思いますが、ロールプレイから失敗を繰り返し、逐語録にし内省する(気が付く)経験ですね。そして、もう一つが対人関係ですから、特にロールプレイは色んな価値観、経験、性別、年齢、キャリアアンカー、自己概念等を持ったクライエントの話を聴きながらカウンセリングの経験を積み、身につける必要があることがわかりますね。

以下はネット検索で「経験」について書かれたもので出所は忘れましたが、

「お風呂に入っているまさにその瞬間はまだ『経験』とはいえないのだが、お風呂から出た後で『今日のお風呂はいいお風呂だった』というように、意識によって後で振り返られたときに、それははじめて『お風呂に入った』という経験として蓄積されるものになる。」

ここの大切な言葉は『振り返る』ことですね。ロールプレイを行っただけでなく、指導者からの振り返り、録音から振り返り、逐語録によって振り返る。そして『気付く』という蓄積を行っているのだと思います。つまり、ロールプレイの回数だけでなく、『振り返ることで気付きが生まれる時間も必要』であるということですね。

最後の言葉に「なぜなら自己は外側から内に向かって作られ、内側から外に向かって作られるものではないからである。」とあります。これは本を読んだことや指導を受けたこと以上に『経験を振り返って気づいて自分のものに(会得)する』ことなんでしょうね。

以上、経験することの意味をロールプレイと重ねて考えてみました。

「関係性を築く」について

2023年07月22日 10:07
今日はカウンセラーがクライエントと「関係性を築く」ことについて考えてみます。

キャリアカウンセリングにおいては関係構築は最も重要ですね。
それでは、クライエント側からカウンセラーをどう感じているのか。
「この人は私のことを全力で分かろうとしている」
「この人は私のことを全力で支えようとしている」
「この人は何処までも本気で関わってくれる」
「この人は私を認めてくれる」
「この人は親でも先生でもなくこの人は違う」
「この人は私の気持ちに寄り添ってくれ、自分が自分になれる」
「この人は私の気持ちに寄り添ってくれるので、安心して話せる」
「この人と話していると心地よい」
「この人と話すことで、自分で気付く機会が増えた」
「この人と話せなくても、自分で解決できるようになった」

関係構築についてどう書かれているのかご紹介します。

1.関係性はカウンセラー側からいえば、クライエントに対する配慮や興味・関心をもって接することから発生する。

関係性はカウンセラーとクライエントの絆であるが、クライエントを抱え込んだり、カウンセラーとの関係にクライエントを縛り付けるものではないし、そうであってはならない。


2.関係性は双方の相互作用として発展するものであるので、クライエント自身の内面においても、カウンセラーへの興味と関心が芽生えなければならない。

この場合の興味と関心は、個人としてのカウンセラーに向けられるものではなく、「ここで話すと他とは違う」「耳を傾けてもらえる」などの感覚や体験に基づく、カウンセラーの存在やカウンセリングというものに対し起きてくる興味・関心である。


3.「了解」されることは、それだけでそれまでの心理的外傷が多少なりとも癒され、その経験やそれにまつわる自分自身について見直す体験となる。

これは、修正情動体験と呼ばれる心理治療要因でもある。


4.クライエントを「了解」する過程で、クライエントの言うことが一言一句手に取るようにわかり、全く違和感がなく、クライエントを理解することはありえない。

過程に生じる理解のズレや行き違いを感じつつ、それを全面に出してクライエントを追求するのではなく、ズレを包含しながら、理解できるところをたどってクライエントの体験を再構成していくことが、初期において関係構築する際の極めて重要な手段である。

不明点、矛盾、疑問は後に吟味の対象となる。


5.関係性は、クライエントとカウンセラーという個人と個人の間だけでなく、クライエント個人と相談機関との間にも発生する。

関係性とは二者間の関係においてのみではなく、立体的に捉えられるべきものである。


『カウンセリングの技法ー臨床の知を身につける』平木 典子・ 袰岩 秀章北樹出版(2001年)1級キャリアコンサルティング技能士学科試験第7回出題問題より

キャリアカウンセリングの進め方「その人固有の内的世界」について

2023年07月17日 11:01

塾生さんに言ってきましたが、このサイトを見て頂いている方に改めてキャリアカウンセリングの進め方「その人固有の内的世界」について紹介します。

「ガイスバーズらは、…個別キャリアカウンセリングにおけるカウンセラーの行動あるいは役割を明確化した。

個別カウンセリングの意義は「二人と同じ人はいない」という人間の個別性に依拠している。

そのために、ここではカウンセラーは、クライエントの心理的側面、別の言い方をすれば、「その人固有の内的世界」に注目することによって、クライエントが自分自身への洞察を深めていくことを最優先する。

それは内的世界に目を注ぐこと自体がカウンセリングの目的なのではないということである。

内的世界に目を注ぐとは、クライエントが何を思い、何を考え、何に悩み、何を願っているのかわかろうとすることである

クライエントの内的世界に目を注ぐのは、クライエントの行動に関する最善の情報源は「行動の主体であるクライエント自身」であると考えるからである。

したがって、クライエントができるだけ、正確に自分を語ることができればできるほど、現実的に問題解決に役立つ情報が得られるのである。

そのためには、クライエントがカウンセラーへの信頼を深めてカウンセラーと自分自身に向かい合えることが鍵であるといわれる。 

そして、クライエントが信頼感と安心感を深めていくためには、ロジャーズの言葉を借りるならば、「カウンセラーはクライエントの内的世界にとどまり、『あたかも』クライエントであるかのように」、クライエントの考えや感情、思い(情報)を理解することが鍵となる。
「キャリアカウンセリング入門 人と仕事の橋渡し」渡辺三枝子+E.L.ハー著(2012年1月11日第13刷ナカニシヤ出版発行)より

再び「一致について」

2023年07月15日 21:28
第30回CC2級技能士試験が終了し、第23回キャリコン国家試験も来週で終了しますね。

最近思うのは「一致」についてわからない(身に付けていない)まま受験に臨まれている方をお見受けします。

先日、塾生さんから「一致」について、こんな質問のような投げかけがありました。
「介護実習でCLが食堂で食事介助をする場面では、ご老人(利用者)との関わりを・・・
劇を見るのではなく、CLのそこ(劇の中に)に入るのですか」
「CLの世界の横に立ち、そばにいるようにするのですか」
「CLにリアル感で関わることですか」

私は「そうです!すべてYesです。よく気がつかれましたね!」と褒めました。
これまでに常に「リアル感を持って」「CLになりなさい」「CLになって考えなさい」と言ってきました。

では、ロジャーズは何て言っているのか。
「カール・ロジャーズ カウンセリングの原点」諸富祥彦著(2021年03月24日角川選書発行)に書かれている一部を紹介します。

「一致とは、体験していることと意識していることが正確に合致していることを示すために用いられる用語である。さらにそれを、体験と意識及びコミュニケーションが合致している、と言う意味に広げてもいいかもしれない。

おそらくその最もシンプルな例は、幼児に見ることができるだろう。

幼児が生理的かつ内臓感覚的なレベルで空腹を体験する時には、その意識は体験に合致しており、さらにコミュニケーションも体験と一致している。その子は空腹で満たされていない。そのことはどのレベルにおいても真実である。

この子はこの瞬間、空腹であるという現実の中に統合され、統一されている。

この子がおなかがいっぱいで満たされている時も、この子は内臓感覚的なレベルでも意識的なレベルでも、またコミュニケーションのレベルでも、同様に統一された一致の状態にある。

ほとんどの人が幼児に反応する一つの理由は、おそらく幼児が純粋で統合されており一致しているからである。(Rogers,1961) 」

特にアンダーラインの部分はいかがでしょうか。
「内臓感覚的なレベル」とは「CLそのものになることができる」と繋がっていると思います。
また、こんなことも書かれていました。

「一致」とは「リアルであること(being real)」(Rogers & Russell,2002)

「一致」とは何と何の一致か。「意識」と、私たちが内側で進行している「内臓感覚的体験」との「一致」である。

内側で進行している「内臓感覚的体験」に意識が向けられており、それに気づいている。

そして必要があれば、それを伝えることもできる。コミュニケートすることもできる。これが、「一致」である。

「カウンセリングしている時に、カウンセラーがひたすら自分を消してクライエントの気持ちに耳を傾けながらも、同時に、自分の内側の深いところも意識を向けていること。そこで起きていることに気づいていること。必要であればその気づきをカウンセリングに生かしていくことができること。これが「一致」である。」

さらにブライアン・ソーンの説明がわかりやすいので続けて紹介します。

ブライアン・ソーンが授業中に行っていた「一致」の定義も紹介しよう。

「一致」とは、セラピストがクライアントに深い「受容」と「共感的理解」をおこなっているときに、同時に自分自身に対してもつねに深い「受容」「共感的理解」をおこなっていることである。つまり、「一致」とは、セラピストの「自分自身に対する深い受容と共感である」。

「一致」自分自身の深い受容と共感)  = 「受容」 + 「共感的理解」相手) 

ほんもののカウンセラーは、自分自身を無条件に受容し、自分の内側から出てくるどんなものもただそのまま認める。また、自分自身のこころの声に常に共感的に耳を傾けている。これが「一致」であり、そうしながら同時に虚心にクライエントの話を聴き、クライエントを無条件に受容し共感的に理解していく。それがロジャーズ派のカウンセリングである。

いかがでしょうか?

ノウハウ集(FAQ)Q9-2:「一致(純粋)」についてから 諸富祥彦著「ほんものの傾聴を学ぶ」で引用したことと繋がっていませんか。

                Carmel's beach(California)